Stripe

元旦からサイトの決済システムに手を入れていた。

立ち上げ当初,WooCommerceを入れたところ,トップ画面まで予定していたものとは違ってしまったので,いくつかページを削除。購入画面は商品到着後,銀行振込仕様にして,年末,何件かの注文に対応した。

しくみは違えども,20年以上,似たような申し込み方法で注文を受けていたものの,そのころは郵便振替用紙を送っていたので,手数料がそれなりに圧縮できた。ところが銀行振込となると,条件によっては送料よりも高い手数料をとられることになる。で,カード決済できないものかと年末の空いた時間に情報をチェックした。いやECカートとか面倒な手段をとらずに可能なかぎり簡便に。

候補として絞られたのは,現状,ほぼこうなるであろうStripeとSquareだ。参考にするサイトによって,たとえば「店舗でも使いたい」とか「ダウンロード販売も行いたい」とか「売れたらすぐに入金してほしい」とかにより,どちらを使うか分かれてくるのだろう。ただ,Stripeを紹介するサイトにはあまりなかったもののSquare推しのサイトにはStripeを導入する際のハードルについて触れられていた。そこをみて一度はSquareでショートコードを使って設定したのだけれど,どうも見栄えがよくない。さらに情報を探すと,現時点では改善(もとから方法はあったのかもしれないが)されている点がみつかった。それを知らずに最初,Squareを使ったところ面倒なことになってしまったのだ。

結局のところ,WoocommerceとStripeの連携はかなり手軽にできる。というか,Stripe上で登録を間違いなくして,2,3つのキーをキチンをコピーしておけば,Woocommerceとの連携はほとんど手間をかけずに終わるのだ。「設定」画面でStripeを有効にして,「管理」画面にStripeのキーを入れるだけだ。その後,確認したところ,購入画面でクレジットカード決済を選ぶことができた。Squareのようにショートコードをページに張り付け,銀行振込用のものと別々に買い物かごが2つ出てしまうこともない。

Webで本を売るシステムを手軽に構築できないか,ずっと探していたのだ。ECカートは面倒くさすぎる。それがWoocommerceとStripeで一気にハードルが下がった。Woocommerceの癖の強さはやっかいではあるけれど,画面上の文字を変えたり消したりしながら,素人感あふれたままとはいえ,数日でまとまった。

年末

とりあえずは29日までを仕事日とした。

朝一番で上野まで校正ゲラをもらいに行く。落合まで戻り,郵便局でスマートレター購入。事務所に行き,注文の発送準備。倉庫から午前中着で在庫を送ってもらったものの届かない。まあ年の瀬だし。

発送できる分だけ投函し,昼食を近くの中華屋で。午後になって在庫が届き,残った発送の準備。その後,赤字校正を進める。コピーを一部とっているうちに,修正漏れがあることに気づく。メールに添付されて送られた赤字を引っ張り出し確認。赤字はゲラ上に一本化しておかないと,この手の漏れが出てしまう。17時過ぎに準備を終え,築地まで。

その途中にマンションの方からLINEが入る。テレビのBSのみ映らないのだという。戻らないことには対応できないので返事だけ出しておく。昨年は漏水があったし,年度末のトラブルが続く。

校正を渡してから事務所に戻った後,帰宅。原因は先日の停電らしい。24時間対応の会社を探して,明日チェックに来てもらうことにする。

で,昨日は起きてから経緯を記したチラシをつくって掲示。風呂に入って連絡を待つ。昼には修理の方が来られるとの連絡。12時から1時間ほどかけて調査したところ,BSブースターが壊れてしまったらしい。年明け早々に発注をかけても1週間ほどBSが映らないと。年内の管理組合の仕事もここまでにしたいので,その経緯を再度まとめて掲示。

そのあとは家内と高円寺,中野まで買い出し。高円寺の魚屋さんは昨年に続き,おせちが残っていない。えびも売り切れだった。しかたなくスーパーで買い物して中野まで。わしやでだいたいのものを揃えた。ヤミヤミカレーで夕飯をとり,落合経由で帰宅。

年末まで慌ただしかった。まあ,この程度で済んだことはよかったかもしれないが。

2.0とか3.0とか

事務所で使っている中古で買ったWindows11マシンには本体の前後に数か所のUSBポートがついている。wifiはUSBポートにかなり小体な子機を差して使う案配だ。

最初,背面の上部に適当に差して使っていたとき,ネットのスピードは快適,メールチェックもアッという間でスピードの快適さに満たされてしまった。ところがしばらくしたあたりから,起動しても一度,ネットワークトラブルを回復させないとうまくつながらなくなってしまった。ネットワーク環境やルーターに問題が起きたのかもしれないと思い,それぞれ調整したりリセットをかけたりしてみたが状況は変わらない。

そういえば,Bluetoothスピーカーの充電をUSB経由でするために,子機のポートを差し替えた記憶がある。スピーカーとつなぐコードが短くて,上のポートを使ってつなげるためだった。二列に並んだポートの片方が空いているのでそこに子機を差し込んでみた。

なんということだろう。あれほど難儀だった接続環境がすっかり元に戻っている。よくよく考えるまでもなくポートはいつくかの種類に分かれてついていたのだろう。2.0とか3.0とかあまり気にせずに使っていたが,いや,使うポートによってまったく接続環境が違うのだな。USBメモリを差してデータを読み書きするには違いを感じなくても。

というわけで,再びストレスのない環境で,それなりにストレスのある業務を進めている。

下山

何か読もうと思い,書棚を眺めたところ,柴田哲孝の『完全版 下山事件 最後の証言』(祥伝社文庫)が目にとまる。ふと,島田一男が銀座三越の地下3階に新聞社を構えていた時期に下山事件と交差する物語ができないだろうかと思い,読み返すことにした。

松本清張経由で下山事件を知り,だいたいイメージするのは杉作J太郎の漫画に登場するあたりのところだ。矢田喜美雄の本を読み,覚えていないけれど他にも読んだ本はあったはずだ。

21世紀に入ってから森達也が突然,下山事件に関する本を出した。続けて週刊朝日の記者の本も出た。なんだか中途半端で刊行までに紆余曲折があったことは理解できた。そのあと,柴田哲孝の本が出て,たぶん単行本で読んだ気がする。文庫本が出て買って読んだのは面白かったからだと思う。ただ,森や朝日の記者の本に登場する「彼」と本人が書く「わたし」はかなりキャラクターが変わって読める。この三冊を続けて読むとした場合,一番面白いのは「彼」「わたし」のキャラクターの違いではないだろうか。本人が書くとやたらとハードボイルド風の語りになるのだけれど,他の二人が書いた「彼」はやや気弱なたたずまいだ。それが面白い。

Nice Age

昌己にメールをして夜,落ち合うことにした。新刊の件で尋ねたいことがあったのと,家内が職場の友人と夕飯をとるというので。

18時半過ぎに事務所で落ち合う。後で娘も合流するため,店を何軒か検討。結局,少し高めの割烹に入る。

当日捌いたウナギがある日が店先に告知が出る。以前,娘と入ったときに美味かったので,最近はときどき昼を食べにきている。夜は値段相応の美味いものが出る店で,それを美味いけれど高いととらえると入らなくなってしまう。しばらくは節約するところと金を出すところのバランスをとれば何とかなりそうなので,久しぶりに夜,入ることにした。

刺身をつまみに焼酎のお湯割り。要件は数十分で片づき,あとは話をあちこちに散らかしながら。1時間半くらい経った頃だったろうか。通りに怒声が響く。しばらく続くものだから店の人はもとより客も不審と不安が入り混じった感じ。引き戸が開いて,一人が店の中に入ってくる。「しつこくってっさあ」と二階に上がる階段のところで店の人と話をしている。外では相変わらず怒声が続く。「こら,てめえ,なにもしないからこいよう!!」。百歩譲っても,なにもしないわけないだろう。にもかかわらず,階段のところの男は出ていく。

昭和のドラマでしか見たことのない光景が目の前に広がり,なんだか不思議な感じだ。「じゃれているんじゃないか」昌己は冷静に評するが,それにしても迷惑さと妙な面白さが錯綜する。

「昭和にタイムスリップしたみたいな感じだな」といわれたが,まあ,この一角は他にも令和はもちろん,平成より前の空気を漂わせる店が何軒もあって,地場ば歪んでいるのかもしれない。

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