茗荷谷

朝,茗荷谷の事務所で印刷所から初稿を受け取る予定。カートを引っ張って中井から行く。校正を受け取った後,弁護士から頼まれた資料を探し,その他,一回の移動で運べるものを簡単に選ぶ。昼前に事務所を出て,中井まで。荷物を置いて近くの中華料理店で昼食をとる。明日,弁護士に渡す通帳のうち,記帳していないものがいくつかあり,近くで済ませられるものを選ぶ。校正を渡した後,高田馬場まで行き記帳。ブックオフを覘いて事務所に戻る。明日,弁護士のところにもっていくものを仕分けして帰宅。

事務所が茗荷谷に移転したのは2012年の夏だったから10年前のこと。同潤会アパートはすでになく,地下鉄の駅前はきれいになったばかり。Booksアイがあり,そこから拓殖大学に向かうならびに何軒かの店が開いていた。春日通りを大塚に向かって左手にはバスの駐車場がひろがり,右手のTRCはまだもう少し先だった頃だ。

新大塚から一駅の距離だけれど,それまでの20年,たぶん一度も降りたことのなかった茗荷谷駅界隈はとても使い勝手のよい町で,仕事をするには大塚に比べると遥かによい環境だった。大塚は陽のあたる通りとそれ以外の差が大きく,それが町を面白くしていた。ただ,全体,寂れた感じは拭えない。たとえ近年,きれいになったとはいえ変わることがないように思う。

茗荷谷は表裏があまりない町だ。裏通りに入っても,町の様子はおおむね一貫している。不忍通りの手前,共同印刷通りの少し手前まではそんな感じが続く。春日通りにはナチュラルローソンがあり,ここが思いのほか便利だった。岡皮膚科はじめ,とてもよいクリニックが多いことも通勤するようになって知ったことのひとつだ。

一人で飲むときに便利な店,仲間内で飲むときに入る店,かなり上等な店,どれもが駅のまわりに揃っていることも知った。

いくつかのレストランに入ったが,ル・ピラートの美味しさとコストパフォーマンスのよさはこの10数年入ったお店で一番だ。仕事で茗荷谷に行くことはほとんどなくなるものの,ル・ピラートには行くと思う。

役所はダメージと徒労を抱えさせる檻である

雨が降り出す前に事務所から必要なものをとってくる予定を立てていた。気候のせいか体が重い。8時に起き,したくをしていると9時を回ってしまった。予定を変更して,仕事の連絡をいくつか済ませ,事務所に行く。印刷所と1時間ほど打ち合わせ。昼食をとり,自宅で仕事の電話。15時過ぎに出る。まだ雨は降り始めていない。

大江戸線で飯田橋まで。パートの人の手続きがまだ済んでいないので来たのは3度目だと思う,今回でたぶん。4回目かもしれない。結局,タイムカードが足りないので受け付けられないといわれる。そんなこといわれても,それしか見つからないのだからしかたあるまい。こっちは無休のローディー,ピート・シンフィールドみたいなものなんだけど。適当な出勤簿をつくって郵便で送ってしまおうと思う。さすがにこれだけのためにもう一度来る気にはならない。

何らかの手続きをしに役所へ出かけても,達成感が得られることはほとんどないばかりか,カフカの世界に迷い込んでしまったかのような徒労とダメージを受けて帰る。その繰り返しだ。

事務所に戻り,仕事をしようと思ったものの,公式には明日から電気が開通することになるので,ブレーカーを下げておいてください,といわれたのを思い出す。今日,事務所で仕事はできないな。少し買い物をして帰宅。仕事の続き。夕飯をとり,仕事の打ち合わせをしたり。

飯田橋と高田馬場のブックオフに寄る。均一棚から石森章太郎のマンガとその他,文庫本を買う。こちらでめぼしいものがなかったら,鬱屈としてしまったにちがいない。それだけは救われた。買った本すべて事務所に置いてきてしまったものの。

在宅

朝食をとり,午前中から仕事。メールを打ち,電話で予定を調整していると1時間半くらい経ってしまう。書店からメールが来ていたので折り返し,発送の手配。なんだかいろいろとすべきことができてくる。to doリストつくっても先送りになりそうだ。家内と娘は午後から映画を見に行くという。事務所には出ずに,自宅で仕事を続けることにする。夕方,印刷所から連絡があり,明日の予定を調整。夕方,弁護士から連絡が届き,介入通知の発送が終わったとのこと。それはよかったものの,いつの間にかすべき仕事が増える。まあ,対価が伴うものなのでよいのだけど。

18時くらいから1時間ほど横になり,起き出して少し仕事。夕飯をとりテレビを観ていた。

編集に時間を割くことができるようになり,ようやく少しは感覚が戻ってきた感じがする。

週末

金曜日から週末ということでよいか。

午前中は請負仕事。朝6時に起き,五月雨でできた箇所からメールで原稿を送る。昼くらいに終わり,弁護士から送られてきたデータの確認。夕方,事務所に行き,18時過ぎから久米君と打ち合わせ。20時過ぎに終える。難しい面があるなあ。帰宅後,夕飯をとり,テレビを観て,夜,少し仕事。

土曜日はSTORESに注文があったので,発送の準備。7月から注文が低調だったのだけど,8月後半になってコンスタントに注文があり,ホッとする。14時に高円寺で家内と待ち合わせ。久しぶりに北口で買い物。高架下の「のらや」で昼食。以前のハンドルネームに近い店名で気になっていた。トイレに入ると案の定,内田百閒の『ノラや』が置いてあった。ポテトサラダ,雑味のないコーヒーがとても美味しかった。古書会館が開いていたので小松左京の文庫と中岡哲郎の本。庚申通りまで出て,かき氷を食べ,古本屋を覘き,スーパーで買い物。醍醐でお弁当を買って帰る。

日曜日は朝から調子がよくない。気候のせいか,鈍い頭痛。朝食をとり,少し横になる。13時過ぎに起き,シャワーを浴びるとやや調子が戻る。カートを引っ張って茗荷谷の事務所まで。資料を集めて出る。駅前のダイソーで荷ひもを買う。パン屋で軽く昼食をとる。事務所に戻り,荷物を整理したのち,自宅で弁護士へ送るデータの整理をする。行き返りに島田一男の文庫を読む。

赤坂

午前中は事務所で仕事。昼前に中井から青山一丁目駅で銀座線に乗り換え赤坂見附まで。家内と待ち合わせ昼食をとる。赤坂みすじ通りで店を探し,結局,ザ・センチュリオン・クラシックの1階の店に入る。他に客はいない。1時間ほどかけて食べた。そこで別れ,溜池山王駅まで歩く。喫茶店で時間を調整して法曹ビルまで。1時間半ほど打ち合わせ。東京メトロを乗り継いで落合駅まで。事務所に戻る。請負仕事をすすめ,帰宅。

TBSが申し越し一ツ木通り沿いにあった頃,仕事でときどき赤坂見附まで出かけた。銀座から赤坂見附だからすぐに着いてしまうのだけれど,銀座界隈の地方局,広告代理店に比べると少しイメージが違った。まあテレビ局は銀座界隈にあるわけではなく,スタジオを覘くことはなかったので,営業や報道局は新聞社と似たものだ。渋谷,曙橋あたりは専任のベテランがついていたため,赤坂見附と六本木の取材の代理だったことがほとんどだ。いきおい,この界隈のホテルで行なわれた番組発表会にはしばしば足を運んだ。資料をもらい,飲み食いして,ぺら1,2枚の記事を書く。赤坂から六本木に行くと,当時のことを思い出す。

久しぶりに赤坂みすじ通りをあるいたのだけれど,この時期だからだろう。全体,沈んだ印象だった。そういえば,20年くらい前,赤坂見附近くに石亭グループの店があって,忘年会で使ったことがある。その後しばらくして,石亭グループが失せ,会社の資産として計上されていたゴルフ場会員権が一銭の価値もなくなった。なんだか。

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