一度で十分


実家を片付けていると,ハンバーグにトマトケチャップでつくったソースをかけて,ごはんとサラダと盛り付けて食べたときに使ったナイフとフォーク,画材や算盤用にあつらえてもらったバッグ,もちろん当時使っていた布団や毛布など,ものにまとわりつく雑多な記憶がよみがえってきてしまい,うるさいったらありはしない。

貧しさを懐かしむほど退廃してはいないが,裕福とは程遠い頃に父親と母親が日々,何を考えていたのだろうかと想像する。

私が家庭を持って後,生活習慣が少しずつ乖離していったことに気づいていたものの,ではその乖離はいったい何が引き起こしたのだろうかとまた考える。

人はときどき,10代の頃からやり直したいなどとふざけたことをいうのだけれど,いまさら10代からやりなおして,前にも書いたとおり,あの徒労の日々を繰り返すことを考えただけでも嫌気がさす。いや,まったく一度で十分だと。

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