どうしたわけか昭和50年代の終わりに,グループサウンズのバンド(という表現がよいのかわからないけれど)が復活してテレビに出ていた。ライブも行なわれていたようだ。同じ頃,ザ・ファントム・ギフトはじめ“ネオGS”と称されるバンドが登場した。1964年生まれの私にとってGSのリアルな体験があるはずはない。昔のニュース映像などで,こんなことがあったのだと理解した程度のことで,それを格好よいとか何とか思いはしなかった。いまだに,GSのよさ(があるのならばだけれど)はわからない。
その頃,観る番組がないときに,復活したGSバンドが登場するものにチャンネルを合わせたのは,だから,決して私が観たかったからではなく,(どうせ)両親はこういうバンドを観て懐かしむのだろう,という程度の気持ちの向け方からでしかない。
GSの最盛期を仮に昭和42年頃とすると,17,8年前を懐かしんでいたことになるのだと気づいたのは最近のことだ。現在を基準にすると,それは20世紀末あたりだと思った途端,愕然とした。昭和50年代の終わりに感じたGSの古色蒼然とした感じは,どこからきたのだろうか,と。