商法


20時まで渋谷で会議があり,高田馬場で家内,娘と待ち合わせて夕飯。コートが必要ないくらいに暖かい夜。

今年になって家内が見つけたパート先は,アクセサリーと服飾ブティックを合わせて3軒経営している。家内はアクセサリー店の配属になった。仕事は雑務全般と若干の営業補助。客の来店時に応対することもあるようだが,常連客が多いため,プライマリで対応するスタッフは決まっている。

勤務時間は日中3時間ほど。週2,3回だから給与はたかが知れている。経営陣には「勤務時間を長くする」とか「出勤回数を多くする」とかいう考えはないようで,一日3時間程度を数人でローテーションしているのだという。

パートをはじめて1,2回目のとき,店長に「店で買ったアクセサリーをつけて,お客様に尋ねられたときの参考にして」と促された。家内はアパレルに勤務経験がある。念のため,面接のときにノルマの有無を確認したものの,それはないという返事だった。高価なアクセサリーばかり並ぶ店だ。少しは安く済むだろうと考え,手持ちのサンゴのリフォームを頼むことにした。20万円を超える見積もりが示された。オリジナルのデザインだし宝石もあしらわれている。それにしても,いったい何か月働けば元をとれるのだろうかと話した記憶がある。

数か月が経った。服飾品は手ごろなものも置いてあるため,この間,数回購入したようだけれど,それ以外,買うことはしなかった。ところが先日のことだ。開店記念のパーティが開かれ,そこでスタッフに「30%割引の券」が配られた。それを使って店の商品を買えということなのだろう。参集したスタッフの数はかなりにのぼった。3店のパートに雇う人数としてはふつう考えられないほどだ。

次の出勤日。30%割引券を使ったか問われた家内が「使っていない」と答えると,さらに次回の出勤した際に「今日はお客様がいらっしゃらないから,お客様になったつもりで選んでちょうだい」とひとこと。いや,実際,お客様なんだが,そんな状況。

とりあえず安いものを2,3選び,購入は家で相談してからということにした。

という話を聞き,そんな言葉を聞いたことはないものの,これは「店員商法」なのだなと確信した。多かれ少なかれこういうことをせざるを得ない職場はあるだろう。しかし,この店がパートを雇う第一の目的は「商品の購入」にあることは明らかだ。短い時間でパートを回せば,パートの人数は増え,パートがトータルで購入する金額は上がる。まあ,あほらしいことを思いつくものだ。

結局,その後退職することにしたものの,経営者は家内の退職を引き留めることよりも先に,退職を他のパートには言わないでほしいと懇願したそうだ。家内の知らないところで同じように辞めては入れての繰り返しだったのだろう。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Top