刷り出し

朝いちばんで印刷所に向かう。待ち合わせ時間ギリギリになってしまったため,恵比寿駅からタクシーに乗ったものの450円で到着する。近距離の場合,タクシーが本当に使いやすくなった。せっかくなのだから利用しなくては。

前回,印刷所まで刷り出しを確認しに行ったのは10年近く前だったと思う。色校正でカバーのオレンジ系の色がうまく出ないため,刷り出しをチェックすることになった。4色でオレンジ系の色はまあ,うまく出なくて仕方ないのだけれど。当時は,職人さんがいて,インクの割合を微調整ながら濃さを合わせていった。印刷所の営業担当者と一緒に1時間以上かけて色を決めた。その後,増刷のたびにそのオレンジの色はなかなか前の版と揃わなかった。

そういう光景は昔日のものとなり,今や,印刷機に小型カメラがセッティングされ,ミスやトラブルを逐次確認するだけでなく,印刷のムラや用紙の汚れが見つかるとすぐさま弾いて,その用紙に付箋のようなものが貼られるようになっている。付箋が一枚であれば用紙の汚れ,何枚か続くようであれば印刷機を止めて調整する。それらの様子が4面に分割されたモニター上に映し出される。

色味の加減はカラーバーをスキャンして4色の濃さをデータ化してチェックする。目の前で小数点2ケタ単位で濃度を調整しているの見て驚いてしまった。ただし,データ上は同じ数値であっても,仕上がりは微妙に異なってしまうことがあるのが印刷のむずかしさで,数人が1チームになって,色の出具合を複数の目で確認するのだという。

そんな具合だから,「グリーンがもっと強く出るように調整してください」と伝えると,微妙に数値を変えるのみ。昔はフィルムを洗ったりして濃さを調節することもあったのだけれど,いまやそんなことは化石のような作業になってしまったようだ。

印刷機の前で20分ほど確認して,刷り出しを数枚もらって会社に戻った。

午後からは池袋で打ち合わせ一件。最初,タカセの2階で待ち合わせをしていたのだけれど,あそこは平日は全席喫煙可で,分煙さえしていないことを知った。打ち合わせの先生がタバコはダメな方なので,服部珈琲店に移る。17時まで打ち合わせし,会社に戻った。

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