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雨。偏頭痛の気配はあるものの,痛み止めが必要なほどではない。いつだったかびしょ濡れになってしまった新潮社文庫版の『ドアを開いて彼女の中へ』を携えて通勤。20時前に退社し,電車のなかで捲る。この時期の矢作俊彦の文章は,風通しがよい,つまり,以前ならば使わなかったようなケバだった言葉をそのまま入っている。東京書籍版の次作,『ツーダン満塁』に至ると,ゼロ年代に復活した兆しが感じられるが,80年代後半からの10年間(つまり,昭和60年代)の文章のケバが昔から気になる。

「NAVI」で,スズキさんが編集長になってから掲載された文章にそれは顕著で,副編集長時代と何が変わったのかわからないが。暗記してしまった文章はいくつもある。ただ,それ以前に比べると,昭和60年代の文章は忘れているものが少なくない。

STORESを通して注文していただく方がここのところ増えた。週1回の受注を目標にしていたところ,一日に2名の方からの注文もある。均すと週1回程度の注文とはいえ,それなりの単価のものが動くので,今月の売り上げは1万5,000円を超えた。一箱古本市が毎週末開催されているイメージだ。

特殊なタイトルが動くのは常で,代替・補充できないものばかり。一巡すると止まってしまうのだろうと思う一方で,似たような趣味の方に発信すれば,それなりに反応があるようにも思う。1995年前,この環境がなかったがために,類は異なるけれどバンド活動をストップしてしまったのだ。それを思うと,量で質をはからない環境がSTORES上で少し実現したように思えてたのしい。

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