大阪


はじめて大阪に出かけたのは生後半年のことだそうで,当然,記憶にはない。新幹線開通の前日に特急で親戚の家に向かったのだという。

小学生の頃までは,夏や冬になると親戚のうちを根城に,半月から1か月は大阪で過ごした。一人で出かけるほどの土地勘はなくて,親戚の家のまわり以外では,甲子園球場のある尼崎や枚方パーク,豊中,千里ニュータウンの記憶があるくらいだ。阪神電車と阪急電車の印象はそれでも強烈で,特に阪急梅田駅のホームへ上る階段とその途中にある書店の光景は覚えている。そこではじめて自動改札を通ったこととともに。

子どもと電車に乗ることに慣れていなかった叔母は,あるとき,私の分も切符を買ってくれたものの,それは運賃が半分の大人用切符だった。もちろん自動改札は閉じてしまった。

母親は結婚するまで大阪で勤めていて,梅田の地下街にあったカレー屋でたぶんドライカレーだと思うのだけれど,玉子を落としたカレーが美味しかったと聞いたことが何度かある。ただ,私はそのカレー屋に連れて行かれたことはない。

大阪には父親と母親それぞれの親戚が住んでいたので,なんというか面倒臭い町という印象が強い。それは他社との合同野球部の納会で,おしぼりをマイクに見立てて挨拶をさせられるのに似たような面倒臭さだ。

関西に出張するたびに面倒臭さのようなものがついて回る。

日帰りで大阪に出張した。環状線で天王寺まで行き,近鉄南大阪線に乗り換え藤井寺まで。環状線から見る大阪の町並みはかなり趣きがあって,まったく嫌いではないのだけれど,近鉄線に乗り換えて阿倍野から離れるにつれ,だんだん普通の町並みに変わっていく。

10年くらい前に同じように藤井寺まできたことがあって,当時はまだ球場跡が残っていた記憶があるのだけれど,今回は見当たらない。とにかく寒いなか,偏頭痛まで出てきてしまったので,打ち合わせ場所へ向かう前に薬局を探して薬を確保した。食事をとることもなく,そのままタクシーで打ち合わせ場所へ向かった。

帰りは古市駅から乗車。終点の阿倍野まで行き,そのまま古書さろん天地へ。『科学史技術史事典』が1,200円で並んでいたのでつい買ってしまった。(つづきます)

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