Speed

ヤフオクは最後,競り合いが少しあって9,000円で落札された。手数料を引いて,8,200円と少し。108円から上がってうれしい(というよりも「たのしい」という感じだろうか)ものの,これが続くことはなく,仮に続いたとしても,それはそれで気分が落ち込むことは経験上,わかっている。何事も加減が大事だ。

オークションは物を対象にしているようで,人を競わせるかのようなしくみになってしまう。そこが苦手だったことを思い出した。ならば価格を決めてしまえばよいものを,ときどき,その遡上にのりたくなる。

通勤途中,ブライアン・フリーマントルの『消されかけた男』(新潮文庫)のページを捲っている。これまでほとんど興味がなく,よくブックオフの均一棚で見かけるなあと思うくらいだった小説家が,ハヤカワの『冒険・スパイ小説ハンドブック』でフリーマントルというか,チャーリー・マフィンの評価が想像以上に高いことに驚いた。『ハンドブック』も均一棚で手に入れたのだけれど。

で,どんなものかと読み始めたのだ。80年代の矢作・司城の3作が少し影響されているのかなと思ったものの,冒険小説,スパイ小説のルーティンに則ると,あんな感じになるのだろう。

前半のスローテンポで,というよりも,このところ本を読み終えるスピードが明らかに落ちた。島田一男でさえ,読み終えるのに数日かかるのだから,読む本をもう少し選んだほうがよいのではないかと,日に数度,感じては震える。『消されかけた男』も中盤にかけて若干,読むスピードが上がったので,小説自体に影響されているのかもしれないが,さすがに島田一男の小説を1週間かけて読むのはまずいと思う。

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