祭の痕


原田郁子のライブが始まる頃から五月雨で入場できるようにしたようだ。断続的に数人の話し声がフロアの後ろの方に響く。ステージ上からはその様子がわからないのだろう。ときどき声が響くので気になる様子だった。と那智君が私を見つけてやってきた。

「最初から入れましたか」

経緯を説明すると,「パルコの向こう側,公園通りまで凄い列。ぼくは3時くらいまでは待つつもりだったけど,思ったより早く入れてよかった。待っている間もたのしかったし」。いつものように飄々とした様子でビールを含む。

原田郁子は,とにかくキーボードにディレイをかけてループをつくり,その上にさらに音を乗せていくのが気持ちよい。以前,World Happinessでみた宮内優里はこれをギターでやっていたんだな。後半は青葉市子とデュエットで数曲。セットチェンジせずに知久寿焼が続く。「月がみてたよ」「セシウムと少女」の他,「らんちう」,同じく青葉市子を交えて「ここはもののけ番外地」など新旧織り交ぜて。1弦がmidi経由で音源に繋がっているのか,バスドラの音のような響きがした。弾き方なのかもしれない。青葉市子は,ここまで客演で5,6曲出たのでソロは2曲くらい。リン・イーラーをゲストに一曲演奏した感じがとてもよかった。

一方,私の偏頭痛はかなりやっかいなことになっていて,久しぶりに胃がひっくり返りそうなってきた。とりあえず,休憩の間にウィルキンソンのジンジャエールを手に入れた。

踊ってばかりの国はここ1,2枚の曲を中心に6曲くらい。それまで静かだった丸山のギターがラストの“Boy”後半で炸裂。この前に見たリキッドルームのときに輪をかけてよかった。テンポは若干上げ気味で,このときだけは頭痛がスッと消えたので音楽の力はすてたものでない。まあ,すててはいないけれど。

終わったのは4時半前。再びドリンクコーナーに行き,今度はミネラルウォーターを買う。水を飲んでもほとんど吸収していない感じがする。フロアに戻り,那智君と一緒にミキサースペースの裏側あたりで少し休む。「今日の感じだと来月のライブ,よさそうじゃないですか」。そうだ。11月の鶯谷でのライブも,那智君とフロアで待ち合わせている。

ラストのGEZAN,フロアは満員になったので,最後の最後で,入場制限を緩めたのかもしれない。壁際に座って,最後まで聞こうと思ったものの,このままいてはまずいことになりそうだ。BODY ODDの途中でフロアを抜け出し,4階に続く階段のところに並んだ椅子に座る。少しして那智君が出てきてくれた。「踊ってばかりの国をみたのでいいですよ。始発出ているみたいだから帰りましょう」と,wwwxを一緒に出た。

パルコの横からセンター街に続く坂道のあちこちに,入り切れなかった人がたむろしている。午前5時の渋谷。センター街に入ってもかなりの人通りだ。フロアは人いきれで非道いことになっていたのだ。渋谷の空気を吸って,今さらながらそんなことを思う。天気予報では朝方から雨だということだったけれど,まだ降り始めていない。ただ,少し寒いだけだった。

スクランブル交差点を越え,那智君と駅前で別れた。家に着くまでに数回,胃がひっくり返りそうになった。

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