S50

漢方薬の副作用なのか,服用後,しばらくすると左手の人差し指,中指がしばらく痛くなる。梗塞の症状ではなさそうなので,思い当たるのは漢方薬くらいしかないのだ。

先日,ついていっていいですかみたいな番組で,母親の自死の前日,非道いことを言ってしまったと,そのことを話す青年を見た。私の父親は心筋梗塞ではあったのものの,思えば亡くなる前日に電話で非道いことを言って,結局,それが父親との最後の会話だったのだなあと思い返した。

50歳を折り返すと,体調次第で,思い起こすことが変わるように思う。咳は続き,ときどき指がそんな具合になるので,このところレイドバックすることしばしばだ。「柄にもなく」と前置きできないのは,まあ,レイドバックばかりの日々なのだからしかたあるまい。

昭和60年代は“A Day In The Life”のラストよろしくかなり盛り上がった。しかし,それに先立つ昭和50年代については,あまり考えたことがなかった。で,思い返すと昭和50年に,たぶん山崎書店で江戸川乱歩の短編集(春陽文庫)を古本で買い,読んだ。私のS50のはじまりは,たぶんこのあたりだったのだろう。

「宇宙戦艦ヤマト」の再放送で,昭和51年ははじまった。その内容はもとより,「宇宙戦艦ヤマト」をリアルタイムで見た同級生と,夕方の再放送ではじめて見た者との間で,明らかに差が表れたことを感じた。そのときの印象を思い出すのは容易い。その差が何か当時はわからなかった。その間,1年しかないのだけれど,埋めることができない差を目の前にし,そこから対応のしかたを学ぶことで,たぶんS50はふたたびはじまったのだ。対応のしかたは,しかし,好むと好まざるとにかかわらず,すべきこととして現前したのが,まあやっかいだった。

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