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午後から広尾で打ち合わせがあるので,11時過ぎに会社を出る。恵比寿で早めの昼食をとる予定だったものの,店が決まらない。結局,12時過ぎに西口の中華料理店に入る。打ち合わせを終え,渋谷経由で戻る。途中,古書サンエーの均一棚を眺める。中公文庫を2冊買う。啓文堂書店で『幻魔大戦Rebirth』11巻を購入。会社に戻り仕事。20時前に出て,中井で降りて少し休憩する。

『幻魔大戦Rebirth』が完結した。原作はよくまとまっているものの,マンガとしては相変わらず非道い出来だ。結局,最後まで買ってしまったのは原作を読みたいからで,それにしても,もう少しマンガを描く技術は上達しないのだろうか。

当初は,『サイボーグ009』の最終章と銘打って連載されたマンガ(とはいえないものの)から,少しは上達したかと思ったけれど,稚拙なコマ割りと人物造形(文字通り,姿)の連続に,これがこの作者の能力なのだろうとあきらめながら読み続けた。

石森章太郎のマンガをトレースしたコマ割りはそれでも形になっているかと思うと,結局,それを消化できていないから,そこだけ違和感として浮き上がる。作者が「あえてこの時期の石森のタッチを選んだ」と,何かのインタビューで読んだ記憶があるが,では1970年から72年あたりのタッチで描けるのかというと,まず無理だろう。タッチを選んで描くだけの技術はないだろうから。

『幻魔大戦Rebirth』は結局,マンガ版『宇宙からのメッセージ』に吸収されてしまったかのような終わりかたになった。『真幻魔大戦』直系の原作を描いても,たぶんこの作者では描ききれなかっただろう。それもまた,しかたないことかもしれない。

『真幻魔大戦』第1部は,それなりによくできた話で,80年代に入ってから,雨後の筍のように伝奇小説を生む元凶の1つにもなったとはいえ(もう1つの元凶は半村良),料理の仕方次第で,Rebirthさせて通用する要素はいくつもあると思う。

2年くらい前,古本屋で買った文庫本を読み返して,それなりに面白かったが,ちょうど時代が移ったあたりの巻が途切れていたので,その先は目を通していなかった。年末,高田馬場のブックオフに,そのあたりの巻が置いてあるのを見つけた。何度行っても動いていないので,買ってしまおうかと思いながら2か月以上経ってしまった。で,昨日,手元にないあたりの巻を一気に買った。

改行のリズムが平井和正は矢作俊彦に似ている。徳間文庫を開いたときの文字のバランスは,特に昔の矢作俊彦っぽい。ただ,文章を刈り上げていないので冗漫すぎる部分が多く,一方その分,さっと読み進めることができる。通勤の20分くらいで50ページは読める按配だ。

第3部は別冊に掲載されたとき,リアルタイムで目にしたものの,一度も読み通したことがない。なんだか優生思想でがんじがらめになった断末魔のような話だった気がする。今回,そのあたりまで読む予定だけれど,どうなることやら。

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