Pulp

1970年代の「ミステリ・マガジン」を捲ると,しばしば「パルプ・マガジンの時代」はじめ,1930年代あたりのアメリカでウェストレイクがいうところのブルーカラー向け雑誌の紹介にしばしば遭遇した。SFやアニメーションなどサブカルチャー全般の歴史について,意図的に取り上げていたように思う。

そのなかでホレス・マッコイが紹介されたり,時代は異なるもののバーセルミやヴォネガットの短篇が載ったりしたのを目にした。80年代初めの頃だったので,バーセルミは現代文学者であり,ヴォネガットはメインストリームの作家として認識していた。雑誌刊行時の感触は,だから想像できない。ブコウスキーだけは目にした記憶がない。あれは特殊な紹介のされかただった気がする。

田中小実昌訳のカーター・ブラウンが面白かった(全体の印象はマーガレット・ミラーっぽい。ただ乾いた感じひとつで読後の印象は大きく変わる)ので,ウェストレイクを引っ張り出す。

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