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誤植やら出版契約書に則ってクレジットが表記されていないだとか,別々の企画で対応すべきことがいくつも出てきた。誤植の件はさておき,クレジット表記については昌己に相談すると,当初考えていた対応をとらずに済みそうな按配。ホッとした。

19時前に退社。高田馬場でドトールに入り,校正の赤字合わせ。久しぶりに芳林堂書店に行き,「本の雑誌」とアーサー・マッケンの文庫本を購入して帰宅。

アーサー・マッケンの小説を最初に読んだのは,『夢の丘』が文庫に入ったときだったと思う。ラヴクラフト系の小説は結局,他の小説家に移ってもラヴクラフトに戻るしかない隘路だと感じたなか,唯一,アーサー・マッケンの『夢の丘』は違うなと思った。

中井英夫の『虚無への供物』からスタートし,講談社文庫の黒カバーで夢野久作,小栗虫太郎,日影丈吉,ウォルポールまで辿る。あとは結局,角川文庫の独壇場で,そのうちに推理創元文庫と現代教養文庫,中公文庫あたりを行き来するようになる。昭和50年代の読書体験を思い返す。結局,矢作俊彦がこれらの作品を一掃するのだから,小説家との出会いは妙なものだ。

アーサー・マッケンの小説は,思えば,狭く足りない知識を後生大事に抱え世の中に出ざるを得ないものにとっては,福音のように感じた気がする。その後,世の中,それでは通じないことにぶつかり続けるのだけれど。「パンの大神」の最初あたりを読みながら,平沢っぽいなあと苦笑してしまった。

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