ノースウッズ

娘が読むために買ったはずの本のうち,私の蔵書になってしまったものが何冊かある。「たくさんのふしぎ」の月刊版は安価で,ときどき面白い企画があるため,何冊も購入した。高田馬場の芳林堂書店にまだ5階売り場があった頃のことで,レジの右手に福音館書店の月刊誌がさしてある一角がつくられていて,おもしろかったことを思い出す。

大竹英洋がノースウッズの写真と文章をまとめた「たくさんのふしぎ」が2冊,あったはずだ。20年近く前になる。子どもが読んでも興味をひくかもしれないが,もしかすると少なくない読者は大人だったのではないだろうか。当時,仕事をする状況でなくなり,旅行に出るならばノースウッドだなあと思うほど強烈な印象だった。

大竹英洋の本が文庫で出たというので,芳林堂書店へと探しに出た。何を勘違いしたのか,すっかり筑摩文庫に入ったはずだと思い込んでいた。しばらく棚を眺め,もちろん見つかるはずはない。しかたないので,「新潮」と『アンンア・コムネナ』のマンガを買った。大竹英洋の本は文春文庫から出たのだった。

午後から赤坂の弁護士を訪ねる。懸案が今月で決着着きそうだという。私にとってはほぼ十分な結果に落ち着きそうではあるものの,誰もに等しく十分にいきわたることはないだろう。仕方ないこととはいえ,そのことに躊躇いを覚えてしまう。

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