「ゴルゴ13」を読んでいると,ストーリーはさておき,古くからの“劇画”の表現形式がここ10数年,すっかりなくなってしまったことに気づく。同じマジックを使って描いた線が,まるで意味を違えて見えてくる。良くも悪くも“劇画”のイメージから遠く離れている。まったく普通のマンガだ。
ゴルゴ13
ここ数か月,さいとうたかをの「ゴルゴ13」を新古書店で買っては通勤途中に読んでいる。
石森章太郎が「ビッグコミック」に「さんだらぼっち」を連載していたころが,リアルタイムで手に取った最初期で,そのころからつい最近まで「ゴルゴ13」を読もうと思ったことはほとんどんなかった。きっかけは何気なく「シュガー」を買って読んだところ,この軽ハードボイルドっぶりが暇つぶしにはとてもよかったのだ。
で,80年代以降の「ゴルゴ13」をコンパクト,コンビニ本を読み始めたところ,あの緩さに感覚が慣れてしまった。
かなり手に入れたのだけれど,連載から40数年,2種類のオムニバスを適当に買っても,いまだ重複した話はいくつもない。
精神
世田谷美術館で「アンリ・ルソーから始まる 素朴派とアウトサイ
「精神」はとても懐かしい記憶がよみがえってくる映画だった。私
一番興味深かったのはドキュメンタリー映画であるにもかかわらず
「なぜ,どうして」というあなたへの関心は,日常の動きを止めて
最初にBGMやナレーションを入れない観察映画で,でも開始早々
ビール
神楽坂のラ・カシェットにはじめて出かけたのは7,8年くらい前のこと。平成の終わりに赤目の合宿で一緒になった編集者と,その後,同じ事務所で仕事をすることになった。しかし,仕事場が重なったのは1年程度だ。彼は退職した。
同僚だった時期にはほとんど酒を飲みに行ったことはない。彼が退職を決めたときに連絡があり,麻布十番で飲んだのが初めてだったと思う。彼が筋金入りのアマチュアフォークシンガーだと知り,仕事の話そっちのけで音楽のことばかり話した。
彼が移った会社は四ツ谷にあった。ベルギービールが好きで,近場で飲める店を探していて見つけたのがラ・カシェットだと聞いた。
ある日,メールが入り,店で待ち合わせた。種類が豊富で,敷居の低いのも気に入った。それから何回か,その店に彼と飲んだ。話はほとんど音楽の話だった。
昨日,数年ぶりでラ・カシェットで飲んだ。仕事の仲間とあれこれ話すうちに,ほんとど0時近くになってしまった。
9
くるりのライブでギターを弾く岸田繁をみるたびに不思議に思っていたのは,8ビートをダウンストロークで弾くときにからだを横に揺らしている姿だった。タテ乗りのに3連譜でリズムをとっているような塩梅で,それが心地よいバンドの揺らぎにつながっているのだろう。