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月1エントリくらいは残しておかなければ。

午後から所沢の倉庫まで棚卸の予定。午前中に済ませる仕事を片づけ,どのようなルートで行こうかと考える。

ひばりヶ丘で古本市が開かれているので,行きか帰りに寄ろうかと思う。行きに寄るとなると,軽い昼食を含め,40分程度の時間しかない。帰りに行くかどうか迷いながら所沢に向かう。

倉庫は東所沢なので秋津で武蔵野線に乗り換える。昼食は駅ナカのつけ麺店に入ってみる。よくあるタイプの店だったものの麺の上に乗っているチャーシューというかローストビーフのようなものがやけに赤い。大丈夫かなと思いながら,それでも食べ終える。

秋津まで行き,新秋津まで歩く。駅前に古本屋が一軒あるのだけれど,水曜日は定休日だ。念のため店先まで行ってみたものの当然閉まっている。武蔵野線に乗り,東所沢まで出る。いつも土産を買う洋菓子店が締まっていたため,スマホで検索して,駅の反対側にもう一軒,洋菓子店があることがわかったので,そちらで土産を購入。

正確な数字というよりも,実際に在庫を目で見て,どう処理していくかのための棚卸なので1時間ほどで終える。来た道順を辿り,新秋津から秋津の間のちょっとした商店街でパンを購入。15時くらいにもかかわらず,立ち飲み屋はほとんど満員。まあ立ち飲み屋だから通りの方に出てしまえばスペースはそこそこ確保できるとはいえ,まあ盛況なことだ。

秋津の改札を通り,ひばりヶ丘に行くには向かいのホームに渡るのだなあと思うと面倒になり,所沢経由で事務所に帰った。

加藤和彦の命日か。『あの素晴しい日々』(百年舎)で面白かった箇所。

歌謡曲のメロディーっていうのは,音楽的に分析すると,コリアン・メロディーでしょう。いわゆる中国系,ペンタトニック系っていうのはコリアン系統じゃないよね。コリアンが悪いってわけじゃないけど,なんか歌謡曲,演歌に通じると。これは完全に日本のベーシック音楽だよね。本当は日本のベーシック音楽は純邦楽だけれども,またそれと一クッションおいて,中国っぽくやると,たとえば非常にうるさいミュージシャンでも許せてしまう,というのがあるよね。

一回,教授(坂本龍一)とその話をしてて,「教授も日本ていうけれども,結局やっているのは中国だろう,なんで日本じゃないの?」って話をしたことがあるわけ。そしたら,ポロっとね,「いや,実は本当は僕はね,フォーク・ソングみたいなのつくっちゃうんだ」って言うわけ。これが本当かもしれないっていう。だからそれほそうだけど,なんで中国っぽくするとかっこよく見えて,完全な演歌みたいなのがかっこ悪いってわかんないね,って話を昔にしたことがあるんだけれども,いまだに僕わかんない。なんででしょうね。(p.170)

休日

少し前,神田にある早川書房の喫茶室に行った。置かれてチラシをもってきて,9月に船堀でアガサ・クリスティーの戯曲『殺人をもう一度』がかかることを知った。家内が予約をして,久しぶりに都営新宿線に乗り,中川を越えた。

劇団フーダニット第23回公演『殺人現場へもう一度』を観る。第1幕は,演劇というよりもラジオドラマでいいような印象で途中少し眠くなってしまったが第2幕に入ってからは緊張感がみなぎり,とても面白かった。

帰りに森下で途中下車する。7年前,古書ドリスが森下に店を構えていた頃,ネット経由でやりとりが始まっただるぶっくすさんと森下の古本屋で待ち合わせして飲んだとき以来かもしれない。だるぶっくすさんはその後,南から来た円盤回しとして,Loft9の古本市のとき手伝ってくれた。売上をポケットに突っ込み,センター街のTHE ALDGATE British Pubで売れた分だけ飲んだ。なんだかたのしい思い出の初っ端が森下から始まった。 その頃はまだなかった古書しいのき堂を覘く。古書ドリスからサブカルの臭いを消すとこのような感じの品ぞろえになるのかもしれない。じっくりと棚を眺めてしまう。

竹内敏晴さんの本が数冊並んでいて,読もうと思いながら読んでいなかった『レッスンする人』を買う。立川の賢治の学校で竹内さんのお別れ会があったときだったか,その後だったかに買おうと思ったものの,そのときは『「出会う」ということ』を手に入れたのだったと思う。 帰りの電車で読み始め,布団に入ってから,ざっと最後まで読み終えた。からだとことばの戦前・戦中史とでもいう内容で,おもしろく読んだものの,同じく藤原書店のセレクションに感じたのと同じく,どうも竹内さんのおもしろさの手前で立ち止まっている本のように感じる。

野苺

チェックインして後,温泉に入り,夕食後,別の温泉に入った。このあたりは熊が出るようで,熊避けの鈴をフロントで借りた。

部屋に戻ってから帰りのために,行きとは違う経路を探し始める。高崎や長野まで出てから軽井沢に戻る経路を含め,何とかなりそうなものを見つけるまで数十分かかる。昔であれば,時刻表と地図を捲りながらメモを取っていくのだろうけれど,スマホのブラウザからタブを増やしながらルートを開き,ときどき乗り換えアプリで確認していく。

結果,万座・鹿沢口駅から長野原草津口駅まで出るのではなく,羽根尾駅まで行く経路を見つけた。不安だったのは羽根尾駅周辺に,時間を潰せそうな場所がほとんどないことだった。計算では,吾妻線を下車し,バスに乗り換えるまで50分ほど時間が空くことだ。加えて,「国道三起点の碑」なるものにほど近いバス停から旧軽井沢までの道は,往路と変わりのない蛇行,高低差,さらに強烈なものかもしれない。明らかな違いは,万座・鹿沢口駅から羽根尾駅までの10数分の移動がバスではないということだ。

翌朝,9時45分発のバスに乗り込む。万座・鹿沢口駅まで45分。前日の移動のおかげで,この程度のバス移動が短く感じられるくらいにはなっていた。駅で降りたのは私たち以外に7,8名。その誰もが駅の待合室で吾妻線を待っている。20分ほどしてホームに入ろうとして初めて,駅員の姿が見えないことに気づく。改札にはタッチパネルが表裏に一か所ずつ付いた一台のタッチパネルがあるだけだ。とりあえずSUICAでタッチしてホームに上がる。電車に乗り込み10数分,羽根尾駅に着いた。想像していたよりも遥かになにも見当たらない。

移動行程と併せて,羽根尾駅近くで時間を潰すことができそうな場所は探していた。バスの時刻を確認し,その店まで移動する。ロマンチック街道沿いにふさわしいつくりの外観とはいえ,創業50年近くの店からすると未来にいる私たちには輝かしいものには映らない。入口から中を覗こうとすると,待ち構えていたかのように扉が開き,店の人と思しき女性が顔を出す。

羽根尾駅にも駅員の姿は見当たらなかった。それどころか,ICカードのタッチパネルさえも据えられていない。そのまま改札口を出てきたつけは上野駅まで持ち越すことになる。羽根尾駅はだから,いくつかの忘れることができない出来事と結びついてしまう。いくつかのとても大きな割合を,呼び込みに出てきた女性が占めているのだけれど。

野苺

結婚して30年になる。この時期,数年に一回くらい,家族で旅行しているのは,そんなタイミングでないと,瑣事にかまけてしまうからだ。

今年は万座温泉に行くことにした。軽井沢経由で万座温泉宿泊の手頃なツアーが見つかったのだ。予約を済ませてから,軽井沢から万座温泉への距離に慄く。ホテルの送迎バスで90分ほどかかる。ホテルから軽井沢までの移動で3時間。都内から軽井沢まで往復3時間強。一泊二日のうち,かなりの時間が移動にとられてしまう。軽井沢に用事があるわけではないので,移動も旅行のうちと割り切って当日になった。

昼前に軽井沢に着き,送迎バス乗り場を確保する。タクシーで丸山珈琲本店まで向かう。小一時間休憩して,帰りは徒歩で。14時の送迎バスには十分間に合った。ここまでは予定を立てていないにもかかわらず順調だった。

ここから90分。たしかにそれだけの時間をかけてホテルに向かった。

道路を直線に90分ならば大したことはない。ところがこの道順が,中軽井沢まで行ってから鬼押出し方向に進み,万座・鹿沢口を経て,嬬恋を越え,万座温泉までひたすらと群馬県を北上する。この間,休憩なしに,蛇行に次ぐ蛇行といくつもの峠を越えていく。内臓がダメージを受けてもおかしくない移動だ。子どもの頃,昔の高速船で船酔いをして以降,乗り物で酔うことはなかったものの,三半規管がおかしくなってきたような感じがする。

16時前にホテルにチェックインしてから温泉に入る。家内は結婚してしばらくしてから乗り物に弱くなった。今回は90分の移動行程だったので心配だったが,ホテルに着いてから調子がわくるくなってしまった。帰りのバスをどうしよう。ここでようやく旅行の計画を立てることになった。

週末

金曜日は野毛で飲み会。大学時代の知り合い9名で数年ぶりに会った。

和之と少し早めに天保堂苅部書店で待ち合わせることにしたものの,休みだったようで,ちぇるる野毛で落ち合う。飲み会は18時半スタートというので,会場近くの立ち飲み屋で小一時間。定時くらいに店に入り,上がっていくと,すでに他のメンバーは揃っている。

2時間半でかなり飲んだ。学生時代の知人と話すたびに思うのだけれど,当時,私たちの界隈は特異な目で見られていたようだ。そのようにはまったく思っていなかったし,夏休み前後など,アルコールも飲まずに,喫茶店で半日,くだらない話だけをして,友人たちと別れるとぐったりとしてしまうことしばしばだった。それは,何かよからぬものを嗜んでいるのではと訝しがられても仕方あるまい。

桜木町から横浜まで出て,新宿経由で帰宅。

土曜日は午前中,アルコールが抜けるのを待って,午後から事務所に行く。少し仕事をして,夕方から家内と高円寺の阿波踊りを見に出かける。20時前,雨が降り始めてきたあたりで駅に戻り,東中野で夕飯をとって買い物。

日曜日も午後から事務所で仕事。サイトの調整を半分くらい,残り半分は営業関係の仕事を少しすすめる。

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