週末

金曜日は会社帰りに,サワディーで昌己と夕飯。創業の件で相談に乗ってもらう。後半はナース・ウィズ・ウーンズの本を読んだのをきっかけに,就寝前,クラウトロックを聴く習慣になってしまい,奥さんに嫌がられているという話から,初期ロキシー・ミュージックは英国のバンドにもかかわらず,クラウトロック感があるというやりとりに。キャッチーなサビがないまま,リフレインするとクラウトロック感が漂うのかもしれない。

土曜日は朝食後,マンションの打ち合わせの電話をしたり,STORESの更新をしたり。14時過ぎからしたくをはじめ,家内と外出。高田馬場で昼食をとり,渋谷まで出る。古書サンエーを久しぶりに覘くと均一棚に,春陽文庫の島田一男が30冊ほどまとまって出ていた。これからライブを観るので荷物になってしまうが,それでも13冊を購入。そのままCONTACTに行く。

クラブに入ったことはほとんどない。それなりのチェックを済ませ,17時半過ぎからHAPPYのライブ。入場者の制限やフロア内の管理をしているのだろうかと思ってしまうほど緩い感じ。それでも歓声などはなかった。まずいなあと思い,出口側の壁にもたれて聴く。1時間半ほどのDJタイムを挟んで踊ってばかりの国のライブが始まると,これはCOVID-19以前のライブハウスと変わらぬ密度で,中にはマスクを外している人も。ライブ自体はすばらしいもので,一昨年末,代官山Unit以来に観た踊ってばかりの国はすばらしかった。ただ,モッシュやコールはクラブ側が一定のコントロールをすべきだっただろうと感じた。妙な現場感。帰りに夕飯用のお弁当を買い,帰宅した娘と食べた。

昨日のライブで疲れてしまったのか,日曜日は朝から調子が悪い。朝食をとった後,歯科受診。昼過ぎに帰宅して,1時間半くらい眠る。STORESに注文が入ったので,発送準備を兼ねて本の整理。本・雑誌の登録を続ける。中井のカレー店に夕飯を買いに出た。夕飯をとり,テレビを観て,島田一男の『上を見るな』を読み始めた。

CONTACTは,どんな判断であれだけ人を入れたのだろう。ライブの最中であっても,フリーハンドで進めるのではなく,コントロールしておかないと,何か起きたら取り返しがつかないだろう。換気はかなり強くされていたものの,せっかくの演奏をシンプルにたのしめる状況ではなかった。で,踊ってばかりの国の新曲は,よく聴いたこともないのにストーンズ・ローゼズっぽく感じた。

批判していてもしかたない。1年以上にわたり,何らかの自粛期間が続き,あちこちで綻びが現れているのだろう。齢90歳の方から,渋谷で若者が集まっているのを批判することは容易いけれど,どこかで発散しなければ,続かないわよ,と指摘を受け,ハッとする。それはそうだ。

島田一男の文庫本13冊を手元に,とりあえず南郷弁護士シリーズを読んでいく予定。

4/1

娘がドライヤーを水没させたようで「使用禁」の張り紙。シャワーを浴びて,バスタオルで入念に拭いた後,髪の毛をくるくると巻く器具でとりあえず整える。頭痛はおさまっていて,20時くらいまで仕事。STORESに入った注文の発送準備を終え,数点登録して眠る。永倉万治のエッセイを捲っている。

書きとどめておこうと思ったことがあったものの,すっかり忘れてしまった。

娘が就職して1年。後輩が入ってくるようで,話を聞いていると販売の仕事だからだろうか,ときどき矢作俊彦の『仕事が俺を呼んでいる』に収められたエピソードを思い出してしまいそうになる。私の仕事は「校了」あたりの領域とはいえ,こちらの段取りではなく著者絡みでああしたエピソードが生まれた体験は持ち合わせていない。表面的には幸福だととらえられるかもしれないが,不幸だな。いや,それを不幸だと言い切るには退廃具合が足りない。だいたいがこちら絡みのトラブルだ。あ,来週,違うトラブルの収拾に向かわなければならないものの,もともとのラインが違う話。

もともとは,創作にプライオリティを置いていたはずが,80年代を通して,あっちとこっちをつなげる機能のほうがおもしろくなってきた。矢作俊彦との対談で穴戸錠が「パーティー・ミキサー」について語っていたことがある。私にその場で何か担うものがあるとすれば,かなり局所的なパーティー・ミキサーではないかと30代に入った頃,気づいた。

それにしては匿名性の高いキャラクターだから,その場がいつの間にか,編集の場に置き換わった。オリジナリティがないことに衒いを感じながらも,「オリジナリティがないことがオリジナリティなんだ」というレトリックに後ろ盾を得たように思う。

編集とは極論,あれとこれをつなげる仕事だから,オリジナリティとか問題意識とか,は二の次なのだ。あれやこれとの出会いがたのしくて,30年以上,この仕事をしてきたようなものだ。

娘の仕事は,もう少しアイデンティティがあり,さらに相手の場に入り込んでいくスキルが要求されるのではないか。そのためには一定のスキルを身に着ける時間が必要だろう。

3/31

健康診断。出がけにSTORESで注文を受けた本を投函。COVID-19蔓延防止対策から,座ったまま呼び出しを待つ。胃のバリウム検査はやめ,あとで胃カメラ検査を依頼することに。座って待つ間に,頭痛がしてくる。全感覚祭のとき以来の感じ。にもかかわらず,血糖値で基準を少し上回ってしまったため,健康指導の順番を待つことに。指導の話を聞きながら脂汗が出てくる。途中,トイレで少し休憩し,指導が終わったところで,エクセシオールカフェに入り休む。レルパックスを飲み12時過ぎまで休憩したものの少し様子がよくなった程度。会社に戻り,13時半くらいまで机で休む。バファリンを飲み,とりあえず午後の仕事を始める。15時くらいからようやく痛みが引いてきた。

17時退社。東武の地下で串揚げを買い,高田馬場まで行く。古書現世の向井さんに買取(頼まれた)の相談。みちくさ市,古書業界など話などもうかがいながら。セブンイレブンで土曜日の踊ってばかりの国のライブチケットを発券し,駅に戻る。中華一番館で少し休憩。ようやく食欲が少し戻ってきた。ブックオフを覘き,The Kinksのベストと文庫2冊購入。歩いて帰宅。家内も午前中は調子がよくなかったそうだ。夕飯をとり,0時過ぎに眠る。

RAINBOW BOOKSさんとDMで,みちくさ市での再会をあいさつ言葉にしているものの,場を調整しすすめていただいている方々が負う責任を思うと,再開の報を待つことに専心するほかない。

久しぶりに非道い偏頭痛。並行して腸の動きが悪くなるところまでは理解しているものの,そこから先の対処法が手探り状態だ。健診を待つ手持無沙汰に諸井薫のエッセイを読んでいたのだけれど,あれがよくなかったのかもしれない。試しに1冊買って読み始めたら,これはまったくダメは領域の本だった。

3/29

暖かい。裏地のついたニットのコートだと汗ばんでくる。20時近くまで索引をつくったりして仕事。ブックオフの日だったことを思い出し,あわてて退社。大塚に行くか池袋に行くか少し悩む。面倒だったので池袋のブックオフに寄る。文庫とマンガ4冊まで抱えて(すべて均一),あと1冊が決まらない。しかたなく文庫で『原始少年リュウ』の2巻だけ買って会計。『原始少年リュウ』を読みながら帰宅。出かけていた家内と娘もしばらくして帰宅。夕飯をとる。

Base Ball Bearの新曲“SYUUU”を何度か繰り返し聴いた。SNSあたりでは赤い公園というか津野米咲の死に向けた曲ではないかといわれている。最初に聴いたときにはフジファブリックの「銀河」のオマージュというか,あの手の曲がその後,生まれていないなかで,よい感じでテイストを継承した曲だと思った。

岸田繁がはじめて「銀河」を聴いたとき,ダサダサ加減に絶句したものの,後半,キーが少しずつ上がっていく箇所で驚いたと何かで読んだ記憶がある。「銀河」のダサさ加減は脱色されているものの,望月峯太郎直系の青臭さを見事にコーティングしている感じ。

しばらく前,昌己と飲んでいたときだったと思うけれど,日本のロックの独自性についてあれこれ話したことがある。結局はP-MODELの“aqualife”のリズムとフジファブリックの「銀河」にたどり着いた。ドメスティックなロックはこの2曲じゃないかと。

“SYUUU”を聴いて,もう少し普遍化される要素がある感じはするものの,日本のロックっぽさを思い出した。

赤い公園のラストライブのギターは,中止になったフェス同様,小出が担当するのだろうか。キーボードのサポートも必要になるはずなので,こちらはOfficial髭男dismの藤原あたりが登場しないだろうか。サポートで入るには「熱唱祭り」のことに比べると圧倒的にメジャーになったからむずかしいかもしれない。

週末

土曜日は午後から家内と新宿へ。西口の日本茶カフェで昼食をとる。着なくなった服をひきとってもらいに小田急,その後,タワーレコードで下津光史のソロアルバムを購入。吉祥寺まで出かける。井の頭公園はかなりの人出。ぐるっと一周して丸井まで戻る。途中,ゲイシャコーヒーを売りにしてオープンした喫茶店で休憩する。家内と分かれ,よみた屋とバサラブックス,古書センターを覘く。家内と落ち合い,丸井の1階にできた食料品売り場で夕飯を調達。東中野経由で帰る。Storesにひとりの方から10冊超えの注文をいただく。

日曜日は,注文発送の準備を携えて会社まで。途中,100均で梱包材料を買い,会社で荷物をまとめる。コンビニで発送を済ませ,夕方まで仕事。帰りにビールと餃子,卵とえびの炒めものを食べたら眠くなってしまった。結局,山手線を一周して池袋で下車。めぼしいお弁当が見つからないので,中井に少し前できたカレー屋でテイクアウトを買って帰宅。家内と夕飯をとる。

3月はStoresの注文が順調だった。この調子で手元の本が手離れしてくれるとありがたいものの,こればかりはわからない。登録数だけは増やしておかなければ。雑誌は古本でもなかなか動かないものだな。

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