須賀敦子

20数年前,須賀敦子著作の最初のブームが起きた。私は当時刊行されていた何冊ものエッセイ集を読み漁った。にもかかわらず,須賀敦子の文体がいま1つくっきりとは浮かび上がってこないのが不思議だった。描かれている体験は好奇心をく...

古本屋

9月に再び,雑司ヶ谷で一箱古本市に出店することにした。 実家の本はいうにおよばず,自宅も本で溢れてきてしまった。古本屋に売り払ってしまうのが手っ取り早いのだが,文脈をつくってしまいたくなるので躊躇ってしまう。 その昔の池...

古本屋

日ノ出町から伊勢佐木町へ向かう角に,昔からの古本屋があった。放射線技師のジャズボーカリストが出演したライブハウスや,仕事絡みの打ち合わせなどで,月に1,2回横浜へ出掛けていた頃,桜木町から関内あたりに何軒かある古本屋の佇...

風の王国

紀和鏡が「マージナル」の編集委員をしていた当時,古本屋で見つけた彼女が描く伝奇小説を数冊読んだことがある。石川淳の『狂風記』と半村良やあまたのノベルズ伝奇小説の一部を同等に読み飛ばしていた頃だったので,それらの物語の差異...

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