相席

通りに面したビルの地下,昼時で満員の中華料理店だった。厨房から客席まで中国語が飛び交うものの,今どきめずらしくもない町場の食堂だ。出て行った客と入れ替わりに,そこだけ空いている席に座った。ほぼ正方形のテーブルの向かいには...

みちくさ市

日曜日は3回目の雑司ヶ谷・鬼子母神前の「みちくさ市」。夢野久作の「キチガイ地獄」初出の「改造」とか,大友克洋の「童夢」第一部掲載の「アクション・デラックス」とか,いったいどこで入手したのかさえすっかり覚えていない雑誌が実...

敗戦後論

夏休みに新古書店で購入した加藤典洋の『敗戦後論』がもう少しで読み終わる。そのまま『戦後的思考』を読み返すつもりが,こちらだけで気持ちが殺がれてきた。以前,文庫本で読んだときの感想など覚えていない。ただ,読み返してみて,佐...

北村薫

読書会の課題は北村薫の『飲めば都』(新潮文庫)だった。 戸板康二から泡坂妻夫直系の短篇推理小説家として北村薫が登場した頃,一連の作品には代替できない魅力をもっていたと思う。戸板康二の物語を新井素子の語り口で展開するという...

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