雪は汚れていないどころか降っていなかった


娘の誕生日だったので,夜は家族で夕飯をとる。カーポラヴォーロで食事と演劇のコラボ「季節はずれの幽霊レストラン」。Alive a liveの演劇ごはんというシリーズのVol.3だそうだ。会場がレストランなので,ステージはあつらえられていない。レストランのレイアウトを利用して,うまい具合に芝居をすすめていく。何回か,客も参加する形をとりながら1時間程度。食事と演劇のコラボなんて考えたことなかったので,とても面白かった。

19年前のこの日は,まだ大泉学園に住んでいて,何回か記したことがある。それよりも何度も書いたのは翌日のことだ。その日は雪が降っていて,私は昌己,イラストレータと3人で江古田で遅くまで飲んだ(その後,Webでチェックしたところ,この日を含め前後も雪は降っていないことになっている。こう記憶がすり替わってしまっては,いくら書き留めていようと,記録としての意味はそがれるな)。その夜,江古田コンパに初めて入ったのだと思う。筆舌に尽くしがたいほど飲み(飲まされて),それでも,どうにか家まで辿り着いた。翌日午前中に編集会議があったのだけれど,その時間まで酒は抜けない。何度も水を飲みに給湯室に入ったことを覚えている。

家庭をもってからこっち,いまだに全体が一塊の記憶になっている。その記憶の塊はそのままで,小分けにされた記憶の塊がいくつが出来上がっている感触を,20年以上経てようやくもつようになった。

それでも娘自身の7歳から19歳までの12年間と,私の12年間では塊の数がぜんぜん違うのだろう。私にとっての12年間の記憶は,せいぜい3,4個の塊にするくらいで十分だ。

芝居が終わると劇団の俳優各氏が給仕に早変わりする。野菜中心のイタリアンのコースが美味しい。デザートのときは娘のプレートをデコレーションしていただき,さらにバースデイソングというかコール。自分以外ならば,たとえ身内のときでも,こういう場のほどよい賑やかさは心地よい。

食事を終えて,外に出た。雨が降ったかのような冷たさが手の甲を打った。路面に湿った様子はない。気のせいだったのだろうか。

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