既視感

家内から連絡があり,頭痛が長引いているとのこと。夕飯用にお弁当を買って帰る。今日から大学の3年のオリエンテーションが始まった娘が帰ってきた。先週,録画していた「劇場版 相棒」を見ながら夕飯をとる。同じようなストーリーを観た既視感がある。サスペンスに重心をおいたミステリーに,多様性を求めてもしかたないのだろうか。

眠る前に矢作俊彦の連載「ビッグ・スヌーズ」を捲るのが日課になってしまった。物語の展開に興味があるのではなく,同じ箇所を何回も読む。ただそれだけだ。「新潮」1月号掲載分は「チャイナマンズチャンス」の際も繰り返し読んだのだから一体,どれほど読めば気が済むのかわからない。ただただ繰り返し,同じ箇所を読む,そのことがたのしいのだから仕方ない。

「フィルムノワール」はまだ,謎を追おうとするスピードがあった。「ビッグ・スヌーズ」に至り,スピード感を気にすることなく,ただ文章を読む作品になった気がする。まるで徘徊インタビュー小説だ。

2件のコメント

  1. 申し訳ない。今月は休載です。生まれて初めて滞りない連載と改作無しの書籍化を夢みたのですが、急な病に斃れました。仮病ではないのが輪をかけて残念です。病に関しては週刊新潮に書くことになっています。
    矢作俊彦

    1. こんなサイトに書き込みいただき,うれしいやら,心配やらでゲシュタルト崩壊しそうです。
      病気は恢復されたのでしょうか?(その後,インスタでご様子拝見いたしました) 多くの読者は第4回までを読み返しているに違いありません。さらに「大いなる眠り」と比べる愉しみさえ手に入れているのですから。まずはお体優先になさってください。

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