「愛なき世界」「飴色の部屋」と続き,「ハイウェイ」あたりで,とにかくドラムの響きが気持ちよかった。この日のドラムは大きなライブハウスでの鳴り方としては稀有なほどしまっていた。
「ワンダーフォーゲル」が始まった途端,あまりのBPMアップ具合に笑ってしまった。全体,走っているんじゃないかというほどテンポが上がる。昨年はあまりしまらなかった松本のリフ(タッタカタッタカというウエスタン風)がこの日は見事。裏打ちのハイハットのテンポ次第で,いかようにもなるリズムがあまりに早くて,この1曲だけで十分な出来だった。
新曲「東京オリンピック」は“ヌーヴォーメタル”クリムゾンのダメなところをそぎ落としたようなすばらしい曲で,岸田繁がエイドリアン・ブリュー,朝倉真司がパット・マステロットのように映る。
新曲が続き,「ハイネケン」後半のギターは,ここ数回のくるりのライブの温度(この日は演奏されなかったものの“morning paper”あたり)に拍車をかけたギターの掛け合いで,踊ってばかりの国のライブとか,昔はあまり好きじゃなかったこういう掛け合いが面白く感じられるようになったのは歳をとったせいなのだろうか。
「ばらの花」以降も,長めの演奏が続き,15曲目の「ロックンロール」でたぶん2時間くらいになっていたのではないだろうか。本編ラストの「ロックンロール」がたぶん前回もそうだったような気がするのだけれど,ギターのリフが外れっぱなしで,せっかくの締めでテンションが下がった。
アンコールは3人で「ブレーメン」。メンバー3人の演奏からはバンド感が強く伝わる。最新曲まで,とてもいい感じで終わった。
セットリスト
- 東京レレレのレ
- 東京
- 愛なき世界
- 飴色の部屋
- ハイウェイ
- ワンダーフォーゲル
- Liberty & Gravity
- 東京オリンピック
- 春を待つ
- 忘れないように
- ハイネケン
- ばらの花
- loveless
- 虹
- ロックンロール
- ブレーメン(アンコール)
- ニュース(アンコール)
- 琥珀色の街、上海蟹の朝(アンコール)
- その線は水平線(アンコール)