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昨日のビールはまだ少し残っている。遅めに起きて朝食後,徹の家に向かう。途中,伊野尾書店で「新潮」。矢作俊彦の「ビッグ・スヌーズ」は無事掲載。それにしても先月号の誤植やカンマのミスをスルーしてしまう新潮社の校閲室。以前にくらべると遥かにスキルが低下しているのだろうか。二玄社や早川書房並みなんだけど,このところ。

新宿で京王線に乗り換え,八王子で駅を跨ぐ。途中,ブックオフで島田一男の文庫1冊購入。横浜線のホームで徹に電話をした。八王子みなみ野で徹と落ち合う。

ブックオフに食器棚を取り置きしているという。数年前,近くの大学で打ち合わせがあった帰り,やたらと広いこのブックオフに寄ったことを思い出す。しばらくして荷台に載った食器棚が現れた。「配送頼むと6,000円とるっていうんで,このまま持っていくことにしたよ」。

徹が食器棚を押し,棚の天や扉あたりを押さえて進む。ブックオフが入ったビルを抜けたあたりから,学生時代にこ奴と,こんなふうにして人力で運んだもののことを思い出してしまった。金はかけたくないし,動かせるのではれば自分たちで動かして持って帰る。ただ,アパート住まいの友人の誰一人,その頃,車を持ち合わせていなかった。移動させる手段はこうやって荷台に載せるか,自転車やバイクの載せて落ちないように支えながら持ち帰るくらいしかない。なければ,そうするだけだ。

幹線道路脇の歩道は滑らないように細かく凹凸があった。ガタガタ五月蠅く音を鳴らしながら20分くらい歩き続ける。2人の歳を足せば100歳を越えるのだけれど,この様子にまったく違和感を覚えない。

このあたりが開発されてから,とうに二世代くらいの時間が経っている。ただ,私の記憶にあるこのあたりの景色とまったく違うので,どうも落ち着きが悪い。それが横浜線の高架をくぐって右に折れると,ベタな表現だけれどタイムスリップしたかのように,平成の最初頃で時間が止まっている。心底,ホッとした。

徹の家はそのままだった。供花,お線香をあげて,とりあえず,徹のお父さんが残した本をチェックする。書庫が3部屋。その他にもほとんど本ばかりが並ぶ。いくつか荷物を避けて,今日のところはこの程度にして駅に戻る。

昼食をとり,徹と別れた。八王子で降り,古書むしくい堂さんに。徹の家の本の買い取りをお願いする。帰りに八王子の古本祭りを通り過ぎる。きちんと見たかったものの,18時から,くるりのコンサートが中野サンプラザである。駅まで戻り,中野まで眠った。

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