和田堀


夕方に和田堀で打ち合わせ。丸の内線を終点の方南町まで乗る。そこから環七沿いを歩く。青梅街道から南に下り,妙法寺あたりまでは何度か出かけた覚えがあるが,方南町から北に向かったのは初めてだと思う。

あたりに某新宗教団体の建物が林立し,まるで信濃町のようだ。広尾であっても商店街の奥には新宗教団体の本部があり,まあ,西日本だけでなく,東京にこの手の町があたりまえにあることは,ときどき不思議に感じる。平沢進の一連の“モンスター”をめぐるコンセプトは,母親が嵌った新興宗教の御札を飲まされた体験が契機になっている気がするから,それもまた日常なのだと言うしかあるまい。幸いとは言えないものの。

17時過ぎに打ち合わせを終え,環七を北に歩き,青梅街道を左に折れ,新高円寺まで。ブックオフで『BILLY BAT』の17~19巻まで108円で購入し,Daddy’s Socks で休憩。一度,入ってみたかった店。

おすすめのSAMUEL ADAMS,チーズといぶりがっこを肴に。18時から1時間ほど店を閉める時間に被ってしまったので,先にお勘定を済ませた。そのあと,ご主人としばらく話す。

2年と少しまえに脱サラして始められた店だそうで,このあたりで好きな曲をかけながらコーヒーを淹れる生活はたのしいのだろうなと思う。高円寺,新高円寺どちらに寄っても家賃があがり,ちょうどルックの中間は店を始めるのに手頃だとか。ただ,高円寺は建物が密集しているのに加え,二万ボルトの火事とその後,商店街でも一度火事があったそうで,大家さんが飲食店として貸すのはためらいがちなのだそうだ。Daddy’s Socksもメニューを工夫してオープンにこぎつけた。

確かにこのあたり,以前にも増して古着屋ばかりになったのは,火を使わない店という縛りがあるからかもしれない。商店街としては,ただ,それでは魅力が乏しくなってくる。古着目当ての人であっても,他の店を覘いたり使ったりしないわけもなく。

ジャズ喫茶は減少の一途にある。新井薬師のロンパーチッチや高田馬場のマイルストーン(検索したところ,閉店していた。あの店で何度か古本を買ったのに)くらいで,野方のサッドカフェはCDだった気がするけれど,思いつくのはそのあたり。とはいえ,私自身,ジャズを抵抗なく聴けるようになったのは20代の後半からだ。10代から20代前半の,まあ多感ではあった時期には,汗をかいている感じと,くっきりしない音像が苦手だった。1980年代の雰囲気を思い起こそうというとき,この2つは意外とよいキーワードになる。

家内と待ち合わせていたので,小一時間で店を出た。平日は昼時を除けばゆっくりできて,21時すぎには店の灯りを消すとのこと。「高円寺の人が飲みに出る時間帯と合わなくて」というものの,場があることの意味は小さくないだろう。

駅で家内と待ち合わせ,消費税増税前の買い物,というわけではなく,とりあえず必要なものを買い,夕飯をとり,野方経由で帰ってきた。ドラッグストアの棚が,軒並み空になっていた。気持ちはわからなくもないけれど,それでどうなのだろう,というのが正直なところ。

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