ビッグ・スヌーズ


寒さに手足の先が冷え切ってしまう。厚手のカーディガンを纏って会社に出る。20時くらいまで仕事。帰りに駅前の書店で「新潮」2月号を購入。

矢作俊彦の「ビッグ・スヌーズ」第23回も変わらず面白い。2006~7年を舞台に,『WRONG GOODBYE/ロング・グッドバイ』ではやや懐古的だった景観の変化への語りが,とっくの昔にこだわるものがなくなったところで,やけに魅惑的に表現される。建築をキーワードにして景観を描くことでは類のみないこの小説家は,実は昭和の終わりから平成の初めまで,批評的と懐古的を行きつ戻りつしていたことに今更ながら気づく。

ワイズクラックの応酬,アメリカの衰退に変わる中国の覇権など,無理のないところで物語は進む。50年近く創作に携わってきた小説家が,50年を経て変わらぬ文体を武器に,21世紀に切り込んでいく連載が(ほぼ)毎号読めるよろこび。石丸元章を「言葉の怪物」と読んだ本人のほうが,よほど怪物だと思う。

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