Fitness

iPhoneのフィットネスをオンにしてから数週間経った。家と事務所が数百メートルほどの距離で,買い物に移動するのも同じくらいで済む。圧倒的に移動する時間が減ったこの2年間だ。

徹は自宅と駅の行き来だけで1日10,000歩を数えるというが,まあ,そこまではしなくても,もう少し移動時間を増やしたほうがよいのではないかと思い始めた。2年を経て思うことではないかもしれない。

一駅徒歩で移動すると,まあ一日分の距離を稼ぐことはできる。事務所からの帰りにときどき,山手通りと目白通りが交差するあたりまで歩き,買い物をして帰宅したりもした。何度も書いたことだけれど,四半世紀前,今のマンションに引っ越してきた頃,目白通り沿いには古本屋が4,5軒あって,池袋西口と合わせると店を覘くだけで半日は十分にかかる按配だった。個人商店があたりまえに商いをしていて,引っ越して最初の年は年末の買い出しに来たはずだ。

元旦になると,そのあたりの店が一斉に休む。これは東中野までまったく普通のことで,なおさら年末にある程度,買い物をしておかなければ買い足しをコンビニで済ませるようなことになる。

歩数を稼ぐために目白通りを歩く。驚くほど閑散としている。娘が小学生の頃,土曜日に昼食をとるために奢ったうなぎ屋は営業しているが,聖母坂の鮨屋は早くに店を畳んだ。鮨屋はともかくとして,上智大学があるというのに,学生向けの店の商売が成り立たないというのはどうしたことだろう。学内にコンビニが入ったとしても,聖母坂にあったコンビニは2軒ともなくなってしまった。

目白通りを駅に向かうとその閑散とした景色に違和感を覚える。家はあり,マンションは立ち,人の生活は変わらずにある。にもかかわらず,地域にその生活を支える機能ももつ場がなくても済むということに。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Top