シン・ゴジラ

「シン・ゴジラ」の評判につられて数十年ぶりに朝イチから映画館へ。前回(と言っても40年くらい前)並んだのと同じ池袋。病み開けでふらつくのに早く着いてしまった。

少し喫茶店で時間を潰し,映画館に入る。ほぼ満員。12時前に終わり,そのまま事務所に行って仕事をしようと思っていたのだけれど,まだ本調子からほど遠い。仕事をするにはしんどい感じがする。結局,軽く昼食をとり,家に戻った。昨日と同じように布団に入って夕方まで眠った。

買い物に出かけた家内と娘は外で夕飯をとるというので,近くの中華料理店で夕飯。中華粥が美味かった。

「シン・ゴジラ」は見事なお仕事映画だった。その意味で何に似ているかというと「踊る大捜査線」かもしれない。怪獣映画としては平成「ガメラ」に劣る感じがする。スリルと謎に乏しいのは致命的。人のドラマを意図的に消したことで物語が散らからなかったのが成功の一因かもしれないが,一方でドラマがないからお仕事ドラマになってしまったのだろう。

夏風邪

夏風邪はしつこい。事務所に出て仕事をするはずだったのだけれど,午前中,体調がすぐれない。結局,昼過ぎから事務所に出た。

夕方まで仕事。少し早めにあがり,帰りにブックオフへ寄った。何冊か本を買った。

家に戻り,布団に入り眠る。からだが重い。微熱があるようだ。

連休に進める予定だった仕事は遅れるかもしれない。しかたない。

夏風邪

病院で風邪をもらってしまったのか喉が痛い。午後から寺でお盆の法要があるため,家内と船橋へ向かった。東武で昼食をとり,バス停に。連休の始まりだからだろうか。駅からのバスが1時間近く遅れる。それでも発車するとスムーズで,開始に間に合った。暑い。

法事が終わり,船橋まで戻る。待ち合わせていた娘が来たので喫茶店でひと休み。家内と娘はデパートをみてくるというので1時間半後に待ち合わせる。

松田青子の『スタッキング可能』が文庫になったというので,ときわ書房まで行ったものの見当たらない。在庫確認してもらったところ,取り寄せになるという。よい塩梅の書店なんだけど仕方ない。駅ビル地下のくまざわ書店で購入して東武の喫茶店で白ワインを飲みながら待つ。ポール・オースターの『幽霊たち』を読み終えた。

夕飯は仲通りにある新助に行く。以前,不動産屋と打ち合わせたとき,帰りに昼飯を食べたことがある店で,とても魚が美味かった記憶がある。サラダと魚,玉子焼き,うに釜飯をとって分けて食べた。やはり旨い。

旨かったけれど,体調は戻らない。帰りの東西線ですっかり眠ってしまった。

そして説明は終わる

京都から夜行バスで義父の弟さんが到着すると連絡があった。病院の受付で待っているという。とりあえずシミュレーションをする。

義父からは自宅からシャツを持ってきてほしいという連絡だ。

義父の体調次第だけれど,今日はお昼前に別の病院を受診し,先日の検査結果について報告を受けることになっている。ただ,動くのにも辛そうだった。担当の医師から「結果は家族に聞いてきてもらい,ベッドで休んでいてもよい」と話してくださったようだけれど,電話の様子では一緒に行くつもりのようだ。

時間がギリギリだったのでシャツは途中の駅近くのスーパーマーケットで手に入れた。受付で弟さんをピックアップし,とりあえず外来受診から帰ってくるまで自宅で待ってもらうようにしよう。家内との打ち合わせは概ね,そんなところだった。

駅からタクシーで病院へ向かった。受付に,それらしき人影はない。私は一度会っただけなので弟さんの顔を覚えていない。家内がそれらしい人はいないか探していると,マスクをした元気なおばあさんに声をかけられた。関西弁だ。えっ,夫婦してくるなんて聞いていないし,弟さんの姿は見えない。

「私がここで待っていて,さっき病室にあがっていったんよ」

10まで組み立てたシミュレーションはたいてい1で崩れる。家内と顔を見合わせてしまった。叔母とともに病室へ向かうと,義父のベッドサイドではすでに弟さんの姿があり,あれこれ話をしている。「誰が知らせたんだろう」と怪訝そうな義父に,家内が打ち合わせ通りの説明をしたものの,通じたのかどうかわからない。

パジャマからシャツに着替え,車いすを借りて1階まで下りた。呼んでもらったタクシーの女性運転手がとても手際よく,車いすから義父を社内に乗せ,残った車いすを折りたたみトランクに押し込んだ。

連休直前のため,道路も病院も大渋滞だったという女性ドライバーの話は杞憂で,昼前のこの時間帯になるとスムーズに進んでいた。20分ほどで病院に着いた。

前回同様に受付を済ませ,2階にあがる。のどが渇くという義父のために院内のコンビニでペットボトルのお茶を買ってきた。

まもなく順番が来て,はじめて会った腫瘍内科の医師から検査結果の説明を受けた。先日の泌尿器科の医師にくらべると遥かに患者の話を聞き,わかるように伝えようとされる様子が感じられた。その伝えようとする内容は厳しいものだ。ホスピス,緩和ケアという単語が出てきたけれど,90歳を過ぎた義父にとって,医師は病気を治してなんぼのもの,話の埒外にある言葉だったに違いない。だからといって,その言葉の意味を今,義父に伝えようとは思わなかった。

入院中の病院の医師に報告書を書いていただき,それから会計まで2時間近く待ったのは,ていねいなその医師の報告書執筆のためだと思う。ただ,さすがに2時間待ちは疲れてしまった。

帰りのタクシーはまだ慣れていなさそうな男性ドライバーだった。

病室に戻り,もろもろの支度を終えて,家内と病院を出た。駅前でかなり遅めの昼飯をとった。疲れた。2時間も待たされたので,病院で風邪をもらってしまったのか,のどが痛い。

幽霊たち

19時くらいまで事務所で仕事をする。仕事も家のほうも,やりのこしていることばかりあるようで,気が散ってしまう。

アクションリサーチを契機にポール・オースターの『幽霊たち』(新潮文庫)を取り出し,しばらくぶりに読み返している。

自分がブラックのことを身近に感じれば感じるほど、ブラックについて考える必要がなくなるのだ。言いかえれば、自分の職務にのめり込めばのめり込むほど、彼は自由になるのである。相手と結びつくことではなく、相手から隔たることが拘束を生む。

池袋駅あたりで一杯飲みながら続きを読もうと思ったものの,タイミングを殺がれ,高田馬場まで行った。しばらく前,HUBに変わってしまったパブでジントニックのダブルとピクルス。オリンピックのサッカーが放送されていた。店のなかの様子はまったく変わらないし,がちゃがちゃ煩い店員に遭遇しなければ,以前とそれほど変化ない。ただメニューにハギスがないのがつまらない。

矢作俊彦はポール・オースターの小説をハードボイルドとしてはもちろん認めないし,ありがたがる輩にも罵声をあびせかけたけれど,だからといって読まずに済ますのは惜しいと思う。主人公が心情吐露する様と,にもかかわらずモラルはからっぽなあたりが気に入らないのかもしれない。いや,モラルはあるのだけれど,独りよがりの善意が見え隠れする。『幽霊たち』を読み返していると,そうしたことよりも先に,短いセンテンスが心地よく,巻き込まれ具合が愉しい。

20時を過ぎたので店を出た。ブックオフで福永武彦,辻邦生のエッセイ集と他数冊を買って家に帰った。  

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