アマ☆カス

彼が本棚から取り上げたのは,家庭用のVTRテープだった。「陣ちゃん(陣内尚武)の映画です。『大戦団』,――陸軍がオクラにしちゃいましたからね。世界でも,見た者は五十人といないはずです」 (↑第18回,↓第19回) 窓から...

夜と霧の隅で

多くの人にとってそうであるように江戸川乱歩は別にして,北杜夫の『どくとるマンボウ航海記』とヴェルヌの『八十日間世界一周』で文庫本を読む楽しさに目覚めた。夏目漱石はまた別として。私は中学生になったばかりだった。 北杜夫は新...

夜と霧の隅で

本書が取り上げようとするナチ国家における精神障害者大量「安楽死」と,それをとりまくナチズム期の精神医学および精神分析学の動向,さらにはその戦後への見逃すことのできない深刻な影響なども,そのひとつである。これらの歴史は,ご...

本を見る

夜からの読書会を控え,『キャッチ=22』の,いまだ上巻を読み終えていない。決してつまらないからではないのがつらい。1章1章が短篇として完結しているかようなアイディアと完成度。隙がないというか,これほどアイディアを詰め込ま...

戦争と医療

土曜日の読書会は,テーマがジョセフ・ヘラーの『キャッチ=22』(ハヤカワ文庫)なので,読み進めている。 少し前に数ページ捲って,若いときに読んでおきたかったというのが第一印象だった。辛辣な箇所を暗記しておいて,何かのとき...

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