10/22

目を覚ますと8時半を過ぎている。まずい。家内に声をかけて,今日が休日だったことを思い出す。相変わらずの風邪気味で,結局,起きたり眠ったりで10時過ぎまで布団のなか。遅めの朝食をとり,昨夜のMacのバックアップ状態を確認する。対策は奏功せずミスが続いている。

午後から少し横になり,14時過ぎに起き出す。家内と新宿まで出かける。西武新宿ペペの地下にオープンしたフレンチトーストの店で昼食。そのまま西口まで行き,小田急の地下を覘いてからブックファーストで本田靖春の『複眼で見よ』(河出文庫)を買う。

本田靖春を読み継ぐことは決して悪いことではないものの,佐山一郎が本田靖春について書いた文章を求めている読者は少なくないと思う。『不当逮捕』刊行早々,FMホットラインに本田靖春を引っ張り出した佐山一郎の功績は決して小さくないはずだ。

南口に移り,タワーレコードで赤い公園のEP「消えない」を購入。喫茶店を探し,結局,COFFEE西武の3階に席を確保する。最近,流行っているらしいここのパフェはさすがに多すぎた。喫煙フロアでは契機のよい話が飛び交っているのだろうけれど,禁煙フロアは大人しいものだなあと思っていると,後ろから妙なやりとりが聞こえてきた。まあ,COFFEE西武だからしかたない。昔のミロンガのようなタンゴをBGMに,しばらく休憩。

19時過ぎに出て,伊勢丹の地下でお弁当を買って帰る。

この前,江戸川乱歩の誕生日だったようで,春陽文庫の短編集を少しだけ読み返した。乱歩の文体は不思議で,強烈にもかかわらず,暗記してしまいたくなるほどの文章ではない。『怪人二十面相』あたりの平易な語り口の文章にはときどき,暗記してしまうものもありはするけれど,だいたい読んでおしまい。読み返すだけだ。

久世光彦が模写と称しながら,徹頭徹尾,江戸川乱歩とは似ても似つかないものを小説のなかに埋め込み,にもかかわらず,斯界では江戸川乱歩の未発表作かと見まがうなどと形容され,白けたことを思い出す。あの頃から書評はあてにならなくなったのだ。横溝正史の代作も,仰々しい割に似ていなかった。もちろん,代作と公表されてから読んだのだけど。

文体が特徴的にもかかわらず,必ずしも文体に魅了されない小説というのは,それはそれで希有なものだろう。

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