谷口ジロー

1980年代が始まりしばらく経った頃,熱病に浮かされたように矢作俊彦が書く文章を探してまわった。その後,名前も忘れたA5判中綴じのアダルト雑誌に突然掲載された,同じく名前も忘れた執筆者の一文にあったように,それは「紙ナプ...

A HAPPY NEW YEAR

突然,ドアが開いた。人影が一歩踏みこみ,胸のあたりで火花を散らした。甲高い破裂音。硝煙の匂い。「ア・ハッピー・ニュー・イヤー」そ奴は叫んだ。しかし,誰の耳にも,その声はとどかなかった。 矢作俊彦:THE PARTY IS...

90

かなりの間,1990年から先5,6年の記憶が混ざっていた。ライブをしたり,家庭をもったり,メルクマールになるはずのできごとがいくつかあるにもかかわらず,一瞬のように感じることしばしばだった。子どもが生まれてから数年くらい...

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