ラーメン

あれだよ。インスタントラーメンがラーメンじゃないのと同じさ。しかし,人はどんな旨いラーメンより明星チキンラーメンに感動することがあるんだ。
矢作俊彦:ドアを開いて彼女の中へ,p.146,新潮文庫,1993.

髭を剃りながら数年ぶりにページを捲っていると躓いた。あれ,明星チキンラーメン? 二玄社はさておき東京書籍,新潮社と,ここでひっかかる校閲者はいなかったのだろうか。

本田靖春

先日,『我、拗ね者として生涯を閉ず』(下)をみつけたので,会社の行き帰りに読んでいる。とても懐かしい語り口で,昭和60年代前後,本田靖春のノンフィクションとの出会いは幸福だったと思う。

それにしても,佐山一郎伝説をだれか記さないだろうか。同じ頃,佐山一郎経由で出会った作家は数知れず。「スタジオボイス」が本当に面白かった時代だ,それは。

古本

角川文庫版『マンハッタン・オプⅡ』が新古書店にあったので,つい手に取ってしまった。わが家にあるものより余程きれいな状態なので,つい買ってしまう。CBSソニー版,ソフトバンク文庫版も持っているのに,これだけ状態がよいと,いやどうやってこの棚にやってきたのかが不思議だ。

言葉

PRODUCE08-1
修二「もう,言葉が通じないんだよ。オレの言葉は,もう誰にも届かない――信じてもらえないって,こーゆーことだったんだなよな」
木皿泉:野ブタ。をプロデュースシナリオBOOK,p.376,日本テレビ放送網,2006.

PRODUCE08-2
キャサリン「吸血鬼ってさ――本当に居るのかしらね」
信子「いないんじゃないでしょうか」
キャサリン「そうか。居るわけないか。でもね,地球上に一人でも信じてくれる人がいれば,吸血鬼は,いるような気がするのよね」
信子「――」
キャサリン「本当だから信じるんじゃなくて,信じるから本当になるっていうの? わかる?」
信子「――」
キャサリン「誰も信じなくなったその日,吸血鬼は,本当に,この世から消えてしまうんじゃないかしら」
(中略)
キャサリン「本当のことなんか,誰もわからないの。だったら,信じたい方を選ぶしかないでしょう?」
同書,p.388-389.

PRODUCE09
彰「根本的にやり方間違ってない? 人は試すもんじゃないでしょう?」
蒼井「試すもんじゃなかったら,どーするものなのよ」
彰「育てるもの。愛情を持ってね」
同書,p412.

言葉

テレビドラマ版「野ブタをプロデュース」の後半で,主人公が「言葉が通じない」状況に陥る場面がある。ここでいう「言葉が通じない」こととは「信じてもらえない」状況のことなのだけれど,では,「信じる」ことは「言葉が通じる」ことなのだろうか。

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