天日坊

久しぶりの観劇。もしかすると前々回のコクーン歌舞伎以来かもしれない。

そんな具合だからだろうか,「切られの与三」と二部構成のように全体,思われた。「切られの与三」が全体,夜を突っ走り(BGMもストーンズの引用があったし)最後に日が昇るといった構成だったのに比べると,「天日坊」はロードムービー,もとい悪党道中記をロードムービーがなぞらえたのだろうから,道中記のような構成。

「俺は誰だ」が通底するテーマだろうけれど,これは「切られの与三」にも感じた。串田和美さんとそのまわりの演劇をみると,「俺は誰だ」がしばしば現れる。出自以外m「誰」を規定するものがないというのがもどかしい。「ぼくはぼくだからぼくなんだ」という「こどもの論理」を武器に日活アクション映画のあだ花が開いたと矢作俊彦は書いたはずだけれど,「俺は俺だ」はここではギャグにしかならない。

「切られの与三」に比べるとスラップスティックな印象ではあるけれど,それゆえに自分をみずから規定できない市井の弱さを露呈させる。それは特別ではない。まったく,私の物語だ。

2/17

久しぶりの片頭痛。花粉症もしくは気圧の影響かもしれない。午前中は仕事にならない。メールを数本出してから椅子を2脚ならべて横になる。インターネットラジオで1930~40年代のビッグバンド・スウィングジャズを聴いている。仕事場のBGMをいくつか試したが,このラジオがなじみやすい。Youtubeでクレンペラー指揮のヘンデル3時間近くというのがあって,これも悪くはないが。スタバのBGM集やボサノバをかけてみたこともあるのだけど,続けて流すとしんどくなってくる。午後はときどきradikoでTBSあたり。

川を越えたところにある中華屋で中華丼を食べて戻る。少し調子がよくなったのでサイトの更新用の文章を書き加える。がしばらくするとまた片頭痛。今日二度目のイブクイックだ。夕方,印刷所から校正一式が届く。明日戻しだということで,少しだけ手を付けたくらい。18時前に1年間かかった本の著者から電話。後半の修羅場とは一変。本ができるとお互いよろこびしかない。早めに帰宅し,眠る。

20時過ぎに置き出し家内と夕飯をとる。風呂に入り,テレビを観ながらWindows10の更新。

島田一男の『珊瑚礁殺人事件』を読んでいる。ツアーコンダクターが殺人事件に巻き込まれる2時間ドラマ用のなぐり書きのような作品に感じたけれど,これに仕込まれたネタが面白い。ツアーコンダクターを抜きに,このネタで冒険小説もしくはスパイ小説を書いたら面白いのになあ。島田一男の小説には過剰なところがある。

週末

土曜日は事務所で仕事を片づけ,夕方から家内と吉祥寺まで出る。遅い昼食をとろうと思い東急裏のブティックに併設されたカフェに行こうと思ったら閉店。再開の予定はないのだろうか。八百屋の先の二階にある喫茶店は満席ということで,多奈加亭に行く。ジョンブルの品が70%オフのガレージセールを覘く。トラウザーズを1本購入。その後,パルコ地下の雑貨店を覘く。輸入雑貨がかなり安くなっている。2階も覘いて駅ビルで夕飯を買って帰宅。買ってきたはずのブリザードフラワーが見当たらない。

ということで,日曜日夕方に再度,吉祥寺まで行く。雨。忘れ物預り所に届いていた。パルコ地下に行き,事務所用品を調達。パルコの4階で昼食。ブックオフに寄った後,夕飯を調達して帰宅。

2月の新刊配本を終え,月は新装版なので刊行までの作業量は数十分の1。2月の新刊はこの半年,いったいどれくらいの時間向き合ったことだろう。結果としてその感慨は忘れがたいものだけれど,折々の選択肢がベストだったとはいえない。もう少し巧みにまとめあげることができたと思う。

38

昨日の雪はほとんど積ることなく解け始めた。午前中から仕事,昼に一度家に戻る。Storesに注文があった本を取りに行く。サワディで昼食をとり,発送の準備をして14時過ぎに家を出た。

東西線で門前仲町まで行く。ブックオフに寄り,バスで有明まで。ガーデンシティで家内,娘と待ち合わせる。16時過ぎに着いた。17時過ぎに開場の列に並ぶ。ここで来月だったか平沢が3公演開くことになるとは。ほとんど日本武道館並みのキャパだ,これは。チケットは買っていないし,在宅オーディエンスになるかも考慮中。

で,定時の17時半くらいから,くるりのライブは始まった。

「ランチ」「虹」と続くと,これはアルバム順に演奏されるのだろうなと思うのは筋だ。ドラムは石若で,相変わらず鳴り物の切れとバスドラがすばらしい。「惑星づくり」が始まったあたりから2013年の武道館ライブを思い出す。あのときに比べ,バンドが若返っている感じを受けるのはメンバーの違いだけではないように思う。曲を演奏するに際しての解釈が若返っている。

「ばらの花」からはヒット曲オンパレード。”WORLD’S END SUPERNOVA”は全音で頭のてっぺんあたりになり続くドローンを入れてほしいものの,演奏からホーンが減った分,ギターが全面に出てきてよい感じに響いた。

Morning Paper“はドラムアレンジが変わっていて,スネアでエコー気味におかずを入れたりして,ややインダストリアル風に響く。

“NIKKI”からの”Birthday”,”ワルツを踊れ”からの”アナーキ・イン・ザ・ムジーク”あたりでかなり盛り上がる。”坩堝の電圧”からはバンド作曲名義の”oAo”が久しぶり。以前は,クリムゾンの”Man With An Open Heart”っぽいように思ったけれど,この日は”ばらの花”の続きっぽい演奏だった。

“THE PIER”からは”Loveless””There is”と,このあたりはチオビタ系列の王道。最後まで時系列に添って演奏は続く。

くるりのライブではドラムの音やフレーズの変化と,岸田のローコードでのソロが聴きどころになることが多いが,この日は”アナーキ―・イン・ザ・ムジーク”がどちらも無茶苦茶新鮮に鳴り響いた。

このところやや停滞気味の活動だったけれど,これを機会に妙な音を鳴り響かせてほしい。

光が丘

相変わらず事務作業の傍ら,編集関係の仕事というバランス。月曜日は午前中,請求書作成。1か所分とはいえ,以前の仕様で一度,請求書をつくり,PDFに吐き出させたものを加工してプリントアウトするので時間がかかる。元の登録データを修正すればよいのだけれど,オリジナルのソフトだから,どのあたりに手を入れればよいかチェックするにも時間がかかる。「新潮」を買って,サワディで昼食。

火曜日は昼前にマンションの工事会社と打ち合わせの後,高田馬場の百均まで行く。パッケージ用品を購入,昼食をとり戻る。午後から発送作業。1月末からStoresの注文が多くなり,2月に入っても順調。夕方,家内と待ち合わせて光が丘まで買い物に出る。娘が小さい頃,一度きたことがあるが,当時と様変わりしている。様子はほとんど印西あたりとかわらない。地下鉄で行ける地方都市という感じがする。夕飯を調達するためにLIVIN,イマミセ,イオンをめぐる。軒並みパンが売り切れている。明日,明後日と天気予報は雪なので,それに備えてのことなのだろうか。もしくはこれが日常なのか。日常,このあたりで買い物するしかないというのはどうなのだろう。

「新潮」の「ビッグ・スヌーズ」は,今度こそ,あと1,2回でエンディングを迎える様子。ある人物の登場を淡々と描く。ストーリーがどうしたという読み方と,ただ文章を読むことのよろこびとが交錯する。唯一,二村の身に起きたことからすると驚くほど落ち着いているように思えるが,では他に描かれようがあるかと思いめぐらせても,何も浮かびはしない。

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